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口頭

アクティブ中性子測定装置によるウラン廃棄物ドラム缶測定への試み

洲脇 拓郎*; 在間 直樹; 中島 伸一; 中塚 嘉明; 藤木 直樹*; 呉田 昌俊; 大図 章

no journal, , 

人形峠環境技術センターでは、原子力基礎工学研究センターとの連携により同センターで開発されたFNDI法を応用した廃棄物ドラム缶中のウラン量を定量するための装置として、超小型の(d,T)加速器を利用した14MeV中性子発生装置とヘリウム-3比例計数管中性子検出器で構成されるアクティブ中性子NDA測定法による測定装置(JAWAS-N)を構築した。測定原理は、短い時間間隔で発生させたパルス状の高速中性子を廃棄物ドラム缶に照射することによりU-235核分裂を誘発させ二次的に発生する中性子を検出、さらに中性子計数値の時間分析を行いその減衰時間の差異から核分裂中性子成分のみを抽出しウラン-235質量を定量するものである。(ウラン濃縮度は別途評価)本装置の活用により当所で管理されている大量の核燃料物質・廃棄物測定に適用し、核物質管理データの充実に資するものである。本報告では、測定原理とそれを実現するために構築した装置の特性を網羅的に解説するとともに、実ウラン廃棄物の測定実績について詳述する。

口頭

放射化法による$$^{99}$$Mo/$$^{99m}$$Tc製造のための照射ターゲットの開発

土谷 邦彦; 西方 香緒里; 木村 明博; 石田 卓也; 竹内 宣博*; 小林 正明*; 河村 弘

no journal, , 

放射化法による$$^{99}$$Mo/$$^{99m}$$Tc製造開発の一環として、プラズマ焼結法による高密度MoO$$_{3}$$ペレット(目標焼結密度: 90$$sim$$95%T.D.)の製造方法に着目し、(n,$$gamma$$)法による照射ターゲットの製造技術開発を行い、MoO$$_{3}$$ペレット製造特性に与えるMoO$$_{3}$$粉末の影響及び開発した高密度MoO$$_{3}$$ペレットの照射特性を調べた。この結果、焼結温度がMoO$$_{3}$$粉末特性(平均粒子径及び2次粒子の存在)に影響していることが分かった。次に、照射済MoO$$_{3}$$ペレットの照射後試験により、低中性子照射量では、照射済MoO$$_{3}$$ペレットの粒子径は、未照射MoO$$_{3}$$ペレットと比べほぼ同程度の大きさであること、結晶構造に大きな変化がないことが分かった。さらに、溶解したMo溶解液中の$$^{99}$$Mo放射能を測定し、$$^{99}$$Mo生成量評価には全中性子エネルギーを考慮する必要があることも分かった。

口頭

誘導結合プラズマ質量分析法による土壌中テクネチウム-99分析法の確立

井上 和美; 藤田 博喜; 初川 雄一

no journal, , 

定常的な環境モニタリングとして、土壌中$$^{99}$$Tc濃度を測定することを目的に、その分析・測定法を検討した。土壌試料の前処理法としては、燃焼法を選択し、まず100gの乾燥土壌試料にトレーサーとして$$^{99}$$Tcを2Bq添加し、環状型電気炉内に設置した石英ガラス燃焼管中で酸素ガスを流しながら、200$$sim$$1000$$^{circ}$$Cで段階的に加熱した。ここで、ガス中の$$^{99}$$Tcは、水酸化ナトリウム溶液で捕集した。その後、この溶液試料は、鉄共沈及びTEVAレジンによる精製を行い、高周波誘導結合プラズマ質量分析装置で$$^{99}$$Tc濃度を測定し、回収率を求めた。さらに、精製段階における各工程の回収率を得るために、燃焼後の溶液試料に$$^{95m}$$Tcを添加し、鉄共沈とTEVAレジンによる精製の後、それぞれの回収率を、Ge半導体検出器により求めた。その結果、全体として約60$$sim$$70%程度の$$^{99}$$Tcの回収率が得られた。また、鉄共沈、TEVAレジンによる精製においては、それぞれの工程で80%以上の$$^{95m}$$Tcの回収率が得られた。次に、100gの乾燥土壌試料に対して、トレーサーを加えず、上記と同様の分析を行った。その結果、土壌中$$^{99}$$Tcの濃度は3.2$$times$$10$$^{-2}$$Bq/kgであり、このときの検出限界値は1.4$$times$$10$$^{-3}$$Bq/kgであった。ただし、試料中に含まれる天然のルテニウム-99が$$^{99}$$Tcの測定の妨害となるため、ルテニウムの天然存在比から補正を行った。今後は、ICP-MS測定において、コリジョン/リアクションガスの測定条件を検討する予定である。

口頭

原子力科学研究所で使用する表面汚染検査計の走査条件と汚染レベルとの関係

加藤 拓也; 鳥居 洋介; 二川 和郎; 山外 功太郎

no journal, , 

非密封の放射性物質を取り扱う事業所では、管理区域からの物品持出検査、放射線作業中の身体サーベイ等は、表面汚染検査計を用いた汚染検査を行う。直接法による汚染検査は、最初に表面汚染検査計の検出部を被測定物の表面に沿って走査させ、指示値の上昇傾向が確認された際に検出部をその場所に留め詳細測定を行う手法が一般的である。ここで、表面汚染検査計を用いた走査時に注意すべきことは、線源との距離、走査速度等の違いによって検出し得る汚染レベルが異なることである。このような走査条件に係る情報は、測定者の教育の際に周知することが望ましい。そこで、汚染検査時の教育に用いることを目的とし、原子力科学研究所で使用されている表面汚染検査計の走査条件と汚染レベルとの関係について調査した結果を報告する。

口頭

IAEAアジア事業におけるわが国の放射線教育に関する経験の活用と今後の展開

飯本 武志*; 掛布 智久*; 高木 利恵子*; 高橋 格*; 中村 尚司*; 木藤 啓子*; 渡部 陽子; 山下 清信

no journal, , 

原子力分野における長期的な人材育成を目的とし、原子力に限らず科学技術・工学・数学全体に興味を感じるような中高生を対象とした教育プログラムの策定と手法の開発がIAEA事業の中で行われている。これまで日本, 米国, 英国等のIAEA加盟各国から教育実践、展示物の事例を持ち寄り、情報交換を繰り返してきた。インドネシア, マレーシア, フィリピン, UAEの4か国が本事業の適用モデル国として選ばれ、情報交換で得た教育カリキュラム事例の中から、各国の教育現場の環境等に合致したものを試験導入している。日本からは、人材育成センターで作成した中学生用放射線学習資料を用いた座学と霧箱・はかるくん実習を組み合わせたカリキュラムを提案した。4か国のうち、3か国が日本提案のカリキュラムの試験導入を決めたことから、我が国における放射線教育プログラムの質の高さ、現場における取り組みやすさが国際社会の中で評価されたと言える。

口頭

全反射高速陽電子回折を用いた金属表面上のグラフェンの構造決定

深谷 有喜; 圓谷 志郎; 境 誠司; 望月 出海*; 和田 健*; 兵頭 俊夫*; 社本 真一

no journal, , 

グラフェンは、極めて高い電子移動度やその他多くの優れた物性をもつ新規材料である。電子デバイスへの応用を考えると、グラフェンと電極を構成する金属との接触は必須である。理論的には、金属表面との相互作用の強さにより、グラフェンの電子特性が変調されることが報告されている。相互作用の強さとグラフェン・金属表面間の距離は相関があるため、金属表面からのグラフェンの高さを実験的に決定することは重要である。本研究では、全反射高速陽電子回折(TRHEPD)を用い、様々な金属基板上でのグラフェンの吸着高さを決定した。Cu(111)およびCo(0001)表面上に作製したグラフェンからのTRHEPDロッキング曲線を測定したところ、基板を構成する元素の違いによる形状の変化を観測した。構造解析の結果、CuとCo表面上でのグラフェンの高さをそれぞれ3.32${AA}$と2.24${AA}$と決定した。実際の解析ではグラフェンのバックリングも考慮したが、フィッティングの改善は見られなかった。以上の結果から、CuとCo表面上のグラフェンは平坦な構造であり、Cu表面上に比べ、Co表面上のグラフェンは下地と強く相互作用していることがわかった。

口頭

ショウガにおける亜鉛動態-ポジトロンイメージングと$$^{65}$$Znを用いた解析

鈴井 伸郎; Weerawardena, T. E.; 尹 永根; 石井 里美; 河地 有木; 藤巻 秀

no journal, , 

スパイスとして用いられるショウガ(生姜)は、アジアにおける重要な農作物の一つである。亜鉛は全ての植物にとって必須な栄養元素であり、ショウガの収量にも大きく影響するため、ショウガ栽培における亜鉛の最適な施用量について、農学的な研究が行われていた。しかしながら、ショウガ体内における亜鉛の動態についての基礎的な研究はほとんど行われていなかった。そこで本研究では、ラジオアイソトープ(RI)の分布を非破壊的に画像化するポジトロンイメージング技術を用いて、生きたショウガにおける亜鉛の動態を詳細に解析した。水耕栽培したショウガの植物体をアクリル板に固定し、細根を20mL容のシリンジに挿入した。400kBqの$$^{65}$$Znを含むホグランド水耕液をシリンジに投与し、ポジトロンイメージング装置を用いて$$^{65}$$Znの分布画像を68時間、連続的に取得した。その結果、細根から吸収された$$^{65}$$Znが親株の塊根に移行・蓄積され、その後、地上部へと輸送される様子を動画像として得ることに成功した。親株の塊根は、一般的にはそこから発生した茎葉部や子株の塊根(収穫部位)に栄養元素を供給する役割(ソース能)を持つと考えられている。しかしながら本研究で得られた結果は、親株の塊根が栄養元素を新たに利用または貯蔵する役割(シンク能)も持つことを示唆している。すなわち、植物のライフサイクルにおける塊根の役割について新たな知見が得られたと言える。

口頭

ヨシはなぜ塩水でも育つのか; 根の中でナトリウムを送り返す動きのポジトロンイメージング解析

藤巻 秀; 丸山 哲平*; 鈴井 伸郎; 河地 有木; 三輪 睿太郎*; 樋口 恭子*

no journal, , 

同じイネ科でありながら、耐塩性の低いイネとは対照的に、耐塩性の高いヨシ(${it Phragmites australis}$ (Cav.) Trin. ex Steud.)のメカニズムを明らかにするため、$$^{22}$$NaトレーサとPositron-emitting Tracer Imaging System (PETIS)を用いた研究を行った。塩濃度の高い水耕液をイネとヨシに与え、これに$$^{22}$$Naを投与し、PETISで植物体を24時間撮像した。続いて、体内に取り込まれた$$^{22}$$Naの動きを追跡するために、根を洗浄し、$$^{22}$$Naを除いた水耕液に交換し、PETISで18時間以上撮像した。得られた動画像データ上で、植物体長軸方向の$$^{22}$$Naの移動を解析した。その結果、イネではナトリウムが常に根から上方の葉に移行し続けるのに対し、ヨシでは茎のつけねより上方にはほとんど移行せず、常に根の中を下方に送り戻されていることが明らかになった。今後はこのヨシの根に特有のナトリウム排出機構を担う輸送体の同定を進め、将来的にはこの能力をイネに付与することを目指す。

口頭

加速器中性子によるがん治療用$$^{67}$$Cuの大量製造法の開発

橋本 和幸; 川端 方子*; 佐伯 秀也*; 佐藤 俊一*; 塚田 和明; 渡辺 智; 永井 泰樹

no journal, , 

$$^{67}$$Cu(半減期61.9時間)は、がん治療に適した$$beta$$線(平均エネルギー141keV)と画像診断に適した$$gamma$$線(185keV等)を同時に放出するため、がん治療用核種として有望視され30年余にわたりその有効な生成法開発が模索されている。従来、$$^{67}$$Cuを製造するには、高エネルギー陽子を用いた$$^{68}$$Zn(p,2p)$$^{67}$$Cuが最適であると考えられているが、生成量が限られていることや副生成RIの多さ等の問題から、研究開発も限定的な状況である。そこで我々は、従来法に代わる製造法として、加速器からの高速中性子を用いた$$^{67}$$Cu製造法[$$^{68}$$Zn(n,x)$$^{67}$$Cu反応(x=n'p, d)]の開発を行っており、ターゲット物質であるZn(5g ZnO)からの基本分離法を確立した。本研究では、実用化を目指す次のステップとして、副生成RIである$$^{65}$$Ni(半減期2.52h)を新たに分離する高純度化手法及び大量製造化のためのZnO試料増量(基本分離法の5倍以上の試料量)に対応した分離・精製法を検討した。$$^{65}$$Ni分離手法の開発では、既報の基本分離法において、8M HClの追加使用及び陰イオン交換樹脂カラムのサイズアップを図ることにより、最終$$^{67}$$Cu溶液中の$$^{65}$$Ni残量は検出限界以下であり、$$^{65}$$Ni分離手法を確立した。さらに、33g ZnO試料を用いた分離挙動を調べた結果、上記$$^{65}$$Ni分離を可能にした改良分離法により、CuとZnの分離は良好で、Cu最終溶液中に、$$^{65,69m}$$Znは検出されず、より高純度の$$^{67}$$Cuを製造する方法を確立した。

口頭

スピン偏極ポジトロニウム時間測定装置の製作

前川 雅樹; Li, H.; 河裾 厚男

no journal, , 

スピン偏極陽電子ビームを物質に照射した際に観測されるポジトロニウム(Ps)の3光子消滅の確率は、表面電子のスピンの向きによって変化する。この性質を利用すると、表面電子のスピン偏極率を決定することができる。さらにPsの飛行時間(TOF)測定を行うことができれば、表面電子のスピン偏極状態密度を得ることが可能となる。現在、そのような実験を目指してスピン偏極Ps-TOF測定装置を開発している。この装置では、Na-22またはGe-68線源を用いて生成した低速陽電子ビーム(エネルギー15keV)を静電レンズにより試料に導く。ビームライン途中に設置した炭素薄膜(膜厚: 10$$mu$$g/cm$$^2$$)通過時に放出される2次電子信号をスタートトリガに、Ps消滅$$gamma$$線信号をストップトリガとする時間差測定によりTOFスペクトルを得る。薄膜に対して陽電子を加速する電圧を印加することで、陽電子ビームが薄膜を通過することを確認した。陽電子ビームの薄膜透過率は印加電圧を増大させると向上するが、最大50%程度で頭打ちとなる。この一因としては、薄膜通過時の非弾性散乱により陽電子の大半が収束軌道から外れるためと考えられる。講演では、今後の改良策などについても報告する。

口頭

加速器中性子による$$^{99}$$Mo生成と$$^{99m}$$Tc熱分離

川端 方子*; 永井 泰樹; 橋本 和幸; 初川 雄一; 本石 章司*; 佐伯 秀也*; 佐藤 望*; 太田 朗生*; 椎名 孝行*; 河内 幸正*; et al.

no journal, , 

$$^{99m}$$Tcは診断用RIとして広く利用されており、国内では年間約70万件、in vivo投与件数の過半数以上を占めている。原料となる親核種$$^{99}$$Moは現在海外の原子炉で製造されており、日本は長年海外からからの輸入に依存している。この$$^{99}$$Mo供給が原子炉運転停止などの影響で今後不安定になる恐れがあり、諸外国をはじめ日本でも国内での製造が検討されている。我々は、加速器中性子を利用して、$$^{100}$$Moから$$^{100}$$Mo(n,2n)$$^{99}$$Mo反応で$$^{99}$$Moを生成し、$$^{99m}$$Tcを効率的に熱分離する方法を開発し、実用化を視野に入れた研究を進めてきた。厚さ3mm-18mmの溶融MoO$$_{3}$$試料を用いて複数回分離試験を実施した結果、連続して高い分離効率(70-95%)を得ることに成功した。また、水蒸気を加えることにより効率が約10%向上することが明らかになった。回収した$$^{99m}$$Tcの純度は高く、SPECT画像によるマウス骨分布を調べた結果、市販の$$^{99m}$$Tcと差がないことが確認された。今後、本研究で開発した熱分離装置の大型化によって、まず大量生産を目指し、国内での実用化を視野に入れた分離精製装置の開発を発展させたい。

口頭

イオン液体中におけるオルソーポジトロニウム消滅確率

平出 哲也

no journal, , 

ポジトロニウム(Ps)は負の仕事関数によって液体中でバブルを形成し、三重項であるオルソ-Psの消滅率はこのバブルの大きさに依存する。イオン液体中のみで、1ナノ秒程度までに陽電子消滅率の振動が観測され、これはバブル形成時の振動であると考えられる。その振動の周期と減衰に温度依存性があることを確認した。また、数ナノ秒以降では、一定の消滅率で指数減衰し、オルソ-Psの消滅率を得ることができるが、これは通常、液体の表面張力と良い相関が見られる。しかしながら、イオン液体中ではこの相関よりも消滅率が小さくなり、また、その温度依存性が通常の液体と異なり、高温で消滅率が小さくならないことが明らかとなった。これらは、イオン液体の複雑な液体構造を反映していると考えられる。

口頭

ガンマカメラによる植物体内放射性セシウムの動態解明

河地 有木; 尹 永根; 鈴井 伸郎; 石井 里美; 渡部 浩司*; 山本 誠一*; 藤巻 秀

no journal, , 

植物体内のセシウム動態を非侵襲的にイメージングする技術の中核となる、ガンマカメラを開発した。このガンマカメラは、662keVの高エネルギー$$gamma$$線の飛来方向を同定するピンホールコリメータ, 遮蔽体, シンチレータアレイと位置弁別型の放射線検出器部分、計数回路からなる。取得画像のノイズを低減するため、穴を形成する角度をより狭めたピンホールコリメータを製作した。また、バックグランドノイズを低減するため、20mm以上の厚さを持つタングステン高比重合金で製作した遮蔽体を用いて、検出器全体を覆った。さらに、画像の高分解能化を目的とし、細分化したシンチレータアレイを採用した。シンチレータは高エネルギー$$gamma$$線に対して効率の優れたGAGGを用いている。これに、浜松ホトニクス製H10966シリーズマルチアノード光電子増倍管アッセンブリを組み合わせ、検出器部分を構築した。Cs-137点線源を用いて性能評価試験を実施した結果、植物RIイメージング実験を行うのに十分な視野、感度を持ち、測定対象となる300mm先の植物の茎や葉を識別できる空間分解能を持つことがわかった。試作したピンホール型ガンマカメラの実証実験としてCs-137溶液を実際に植物に投与し撮像する実験を行った。その結果、ダイズの子実に流入するCs-137の動態が可視化され、開発したピンホール型ガンマカメラの有用性が示された。

口頭

金属酸化物中の原子空孔誘起強磁性効果の研究

河裾 厚男; 前川 雅樹; 境 誠司

no journal, , 

粒子線照射などにより、非磁性の金属酸化物・窒化物が強磁性体に変化する現象が見いだされている。その原因として原子空孔が挙げられているが、直接的な証拠は未だに得られていない。スピン偏極陽電子消滅法を用いて原子空孔に存在する磁気モーメントが検出できれば、より直接的な原子空孔誘起強磁性の証拠になると考えられる。そこで、イオン照射した酸化亜鉛に対してスピン偏極陽電子消滅測定を行った。水熱合成したn型のZnO(0001)に、室温において100keVの酸素イオンを照射(照射量は1E+14-1E+17 ions/cm$$^{2}$$)することで原子空孔を導入した。超伝導量子干渉デバイス測定により、照射前後における強磁性を確認した。試料に最大$$pm$$1Tの面直磁場を印加した状態で縦スピン偏極陽電子を注入し、高純度ゲルマニウム検出器を用いて二光子消滅のドップラー拡がり測定を行った。その結果、カチオン(Zn)空孔が主な陽電子捕獲中心であり、そのドップラー拡がりスペクトルが、磁場反転に対して非対称性を示すことが見いだされた。正負磁場間の差分ドップラー拡がりスペクトルは、カチオン空孔を想定した第一原理計算の結果とよく一致していること、アニオン空孔を想定した計算では正負磁場間の差はないことが分かった。以上より、カチオン空孔に磁気モーメントが存在しており、それが強磁性の原因となっていることが明らかになった。

口頭

ポジトロンイメージング(PETIS)によるダイズ根圏分泌の定量解析

尹 永根; 鈴井 伸郎; 河地 有木; 石井 里美; 中村 卓司*; 信濃 卓郎*; 藤巻 秀

no journal, , 

植物は、土壌環境中の難溶性の栄養元素を獲得するために、有機酸等を根から根圏土壌へ分泌することが知られている。しかしながら、複雑な環境下にある根の各部位における有機酸等の分泌の制御機構については、未だに不明な点が多い。我々は、炭素11(半減期20分)標識二酸化炭素($$^{11}$$CO$$_{2}$$)とポジトロンイメージング技術を利用し、光合成産物の根系各部位への転流と有機物の根圏土壌への分泌を可視化する技術の開発を進めている。分泌の制御機構の全容を解明するためには、根系各部位における分泌物の分布画像を基に、根および根圏土壌を部位別にサンプリングし、根系各部位の光合成産物及び根圏土壌への分泌物の種類や量を詳しく解析することが必須と言える。そこで本研究では、根系各部位における分泌物の詳細な成分分析を行うために、局所的に切り出しが可能な、土壌に代わりうる栽培資材の検討を試みた。寒天培地あるいは硅砂を入れた根箱でダイズを栽培し、根系を対象に撮像実験を行ったところ、寒天培地の方が硅砂に比べて分泌量が多いことが分かった。さらに、それぞれの根箱に炭素ビーズを混合したところ、分泌量が上昇し、寒天培地の方が硅砂より上昇幅が大きいことが分かった。

口頭

窒素固定イメージングのための窒素13ガストレーサの製造

石井 里美; 尹 永根; Hung, N. V. P.*; 鈴井 伸郎; 河地 有木; 大竹 憲邦*; 大山 卓爾*; 藤巻 秀

no journal, , 

われわれは、ポジトロンイメージング技術を用いて、非侵襲的にダイズの窒素栄養の獲得機構を解明することを目的としている。窒素固定、および固定窒素の移動の画像化を、ポジトロンイメージングにより実現するために、窒素13標識窒素ガスを高純度, 高収量で製造する方法を開発したので報告する。

口頭

Investigation of near surface defects in metal samples produced by mechanical cutting/polishing using positron annihilation spectroscopy

Jiang, L.*; 大島 永康*; O'Rourke, B. E.*; 鈴木 良一*; 原田 祥久*; 鈴木 隆之*; 高津 周平*; 平出 哲也; 高井 健一*

no journal, , 

陽電子消滅法は、原子空孔, 空孔クラスター, ナノボイドなどの欠陥に敏感な分析手法である。産業技術総合研究所に整備されている陽電子プローブマイクロアナライザー(PPMA)は陽電子マイクロビームを走査することで、欠陥分布を観察することが可能である。PPMAを使用する場合、陽電子の打ち込み深さが浅いため、試料の作成時に導入される欠陥は重要な問題である。ここでは、2つの試料加工方法、放電加工のみと放電加工後にコロイダルシリカによる研磨を行うことで導入される欠陥について、SUS316Lのほかいくつかの試料について、これらの加工方法で導入される欠陥の深さ分布を陽電子消滅法で調べた。

口頭

チェレンコフ光で植物体内の元素動態を見る

栗田 圭輔; 河地 有木; 尹 永根; 鈴井 伸郎; 石井 里美; 渡部 浩司*; 山本 誠一*; 藤巻 秀

no journal, , 

荷電粒子が物質中を通過する際に発せられるチェレンコフ光を用い、植物体内の元素動態をイメージングする方法を開発した。チェレンコフ光は、RIが放出する荷電粒子と植物体内の水との作用で発生する微弱な可視光で、昨今の高感度化・低ノイズ化したイメージセンサを用いれば十分に短時間で撮像できる。また、測定対象が可視光となるため、光学レンズを用いた像の拡大・縮小が容易となり、これを利用した空間分解能の向上が期待できる。チェレンコフイメージング技術を応用した植物実験の有用性を検証するため、F値0.95の明るいレンズを装着した高感度CCDカメラで実証試験を行った。撮像対象として、ベータ線放出核種であるCs-137の点線源の他、4 MBqのCs-137溶液を1週間にわたって根から吸収させたダイズを用いた。直径100$$mu$$mのCs-137点線源を撮像した結果、画像上のFWHMが220$$mu$$mとなり、従来技術に比べ十分に空間分解能が高いことが示された。またCs-137溶液を吸収させたダイズを用いた結果では、試料に含まれるCs-137由来のチェレンコフ光の撮像に成功し、植物体内の放射性セシウムの高精細な分布画像が得られた。このことは、本提案手法が植物体内の元素動態を高い空間分解能でイメージングできる、有用な技術であることを示している。

口頭

照射香辛料の新規官能検査方法

千葉 悦子*; 飯塚 友子*; 市川 まりこ*; 鵜飼 光子*; 菊地 正博; 小林 泰彦

no journal, , 

放射線照射により非加熱で殺虫・殺菌ができ、照射した香辛料は国際的に広く流通するが、日本では許可されていない。食品照射への理解を促進するため、香辛料については照射殺菌品と過熱水蒸気殺菌品、および、それを使う料理の比較を行っている。入手しやすく、簡便で、再現性の高い新規官能検査方法として、市販の介護用とろみ剤の効果を検討した。香辛料は水に浮沈して均一に混合しにくいが、とろみ剤を使うことで、口に入る香辛料の量を揃えることができた。どちらの殺菌方法にせよ、食塩分0.3%という非常に低い濃度にもかかわらず、コショウを加えると十分おいしく感じた。日本の食生活では減塩が重要だが、香辛料は減塩を容易にする。とろみ剤によって殺菌法の違いによる香辛料の効能が再確認できたので、適切な施策に繋がることを望む。

口頭

$$gamma$$線照射によりアミノ酸に誘導されるラジカルの緩和時間

永田 夏樹*; 菰田 聖一*; 菊地 正博; 中村 秀夫*; 亀谷 宏美*; 等々力 節子*; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*

no journal, , 

照射アミノ酸は吸収線量の増加と共に照射誘導ラジカルが蓄積し、緩和時間T$$_{2}$$が減少する。緩和時間はパルス波(Pulse)-ESRで直接計測するが、装置自体が普及しておらず測定は簡単ではない。連続波(CW)-ESR測定される線幅と閾値を用いたシミュレーションにより算出する方法があるが、本来、1本線のピークに適用する手法であり、複雑なスペクトルに適用できるかは明らかではない。そこで、CW-ESRの緩和時間とPulse-ESRの緩和時間の比較したところ、両者は全く一致しなかった。次に、CW-ESRで得られた複数ピークからなるスペクトルをガウス線形にフィッティングしてピーク分離した。分離したピークをシミュレーションに適用して緩和時間を求めたところ、緩和時間がPulse-ESRの結果とよく一致した。複数信号はピーク分離という新たな手法で解析することにより、CW-ESRで算出した緩和時間はPulse-ESR計測により求めた実測値に近づいた。

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